2017 / 06
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β線や内部転換電子のエネルギースペクトルを測定する場合、検出器の材質として原子番号が小さいことが望ましい。
これは、原子番号が大きいと、後方散乱の割合が高くなり、入射したβ線の全エネルギーが検出器に与えられない
確率が大きくなるからである。
そのため、β線のエネルギースペクトルの測定には、プラスチックシンチレーション検出器Si表面障壁型半導体検出器などが用いられる。
また、入射したβ線が検出器の有感部分を透過貫通すると、検出器に対するエネルギー付与が部分的となり、測定されたエネルギースペクトルが歪む。
そのため、検出器の厚さは測定対象となるβ線の飛程よりも厚い必要がある。
特に、Si表面障壁型半導体検出器の場合、その空乏層の厚さに注意する必要がある。
比例計数管も原理的にはβ線のスペクトルの測定をすることが可能であるが、気体は密度が小さいため、β線の飛程以上の厚さを確保することが一般的に困難で、β線のエネルギースペクトル測定にはほとんど用いられない。
また、GM計数管はその出力パルス波高と付与エネルギーとは無関係なため、β線のエネルギースペクトル測定をすることは原理的にできない。

γ線のエネルギースペクトルを測定する場合、検出器の材質として原子番号が大きいことが望ましい。
これは、原子番号が大きいと光電効果電子対生成効果の作用確率が高くなり、全吸収ピークを形成する確率が高くなるからである。
そのため、γ線のエネルギースペクトルの測定には、NaI(Tl)シンチレーション検出器Ge検出器などが用いられる。
NaI(Tl)シンチレーション検出器は、大型のものが得やすく、価格も比較的安価であるが、そのエネルギー分解能はGe検出器と比較して大幅に劣る
そのほか、CsI(Tl)シンチレーション検出器が用いられることがあるが、この場合、潮解性の影響が少ない利点がある。
Si表面障壁型半導体検出器は有感体積を大きくしにくく、原子番号が小さいので、γ線エネルギースペクトル測定に用いられることはほとんどない。

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ろ紙上に集めた環境資料中のアルミニウムを中性子放射化分析により定量したいとの相談を受けた。
アルミニウムの関連核データは、アイソトープ表に次のように示されている。

     存在度  中性子捕獲  生成核  壊変   γ線    実効線量率
      %    反応断面積  半減期  形式  (MeV)     定数

27Al  100    0.231b   2.241m   β-   1.779    0.197μSv・m2・
                                  100%    MBq-1・h-1

1試料当たりのアルミニウム量はμgレベルと見積もられたので、仮にアルミニウム1.0μgを中性子フルエンス率5.0×10^12cm-2・s-1で2.241分照射したとすれば、照射終了時の生成放射能は何ベクレルとなるか。


A=fбN[1-(1/2)t/T]

の式を使う。

中性子フルエンス率     f:5×10^12(cm-2・s-1)
中性子捕獲反応断面積   б:0.231b→計算のため、cm2に変換する。 
                    0.231×10^-24
                  N:(質量/質量数)×アボガドロ数=
(1×10-6/27)×6.02×10^23(個)
照射時間            t:2.241分
27Alの半減期        T:2.241分

以上の数値を代入する。

A=5×10^12(cm-2・s-1)×0.231×-24(cm^2)×0.2229×^17(個)[1-(1/2)2.241分/2.241分]=1.287×10^4(個/s)

ここで、1Bqというのは、1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量なので、毎秒1個の原子核が崩壊して放射線を発している場合が1Bq、つまりBq=個/sということなので、

1.287×10^4(個/s)=1.287×10^4(Bq)≒1.3×10^4(Bq)

この計算結果等から、G事業所のR原子炉の気送菅(試料を加圧気体で原子炉に送入し、中性子照射して取り出す装置系)で試料を2分間照射し、照射終了1分後に50cm^3Ge半導体検出器付きスペクトロメータで28Alの1.779MeVのガンマ線を1分間測定することで、この定量は可能と判断された。
一方、この生成放射能を1MBqとして28Alの実効線量率を計算すると、試料から1cmにおいて、何μSvになるか。

実効線量率の計算は公式に当てはめるだけで簡単に出すことができる。

実効線量率=(実効線量率定数×放射能)/(距離)^2

1cm=0.01m

0.197[μSv・m^2・MBq^-1・h-1]×1[MBq]/(1×10^-2[m])^2=0.197×10^4μSv/h=1.97×10^3μSv/h

気送管の終点、照射試料の取り出し口は鉛遮蔽があり、しゃへい内で照射用カプセルから放射化された環境試料をピンセット・トングス等を用い、10cm以上の距離を保ちつつ、新しいポリエチレン袋に移し入れて封入し測定試料とすることができ、被爆線量も法令で示される1年間につき50mSvの線量限度をこえることなく、十分低い値に抑えられると判断された。






●10GBqの18Fをフード内で取り扱う時に、10分の1の18Fが飛散したと仮定して、排気中濃度を8時間平均濃度として求めてみると何Bq/cm3となるか。

ただし、18Fの減衰は考慮しないものとする。
ここで、排気能力は毎時500m3、排気フィルターによる18Fの捕集効率は99%とする。


排気中濃度=(放射能×飛散率×フィルタの透過率)/(一時間あたりの排気量×排気時間)

フィルタの透過率=(1-捕集効率)

排気能力が毎時500m^3なので、単位を合わせるためにcm^3にするために、例のごとく500×10^6cm^6

排気中濃度=((10[GBq]×(1/10)×(1-0.99))/(500×10^6[cm^3/h])×8[h]=2.5×10^-12[GBq/cm^3]=2.5×10^-3[Bq/cm^3]

●換気が停止した状態でフードから10MBqの18Fが作業室内全体(5m×5m×2m)に均一に飛散したとすると、室内の空気中濃度は何Bq/cm^3か。

空気中の濃度の計算方法がよくわかりませんが、単位をみると、Bq/cm^3になることがわかるので、10MBq/(5m×5m×2m)ででるんじゃないかということがわかります。

あとは、単位をあわせてやればいいので、1m=100cmなので、(500cm×500cm×200cm)になることがわかります。

10MBq/(500×500×200)[cm^3]=2.0×10^-7[MBq/cm^3]=0.2Bq/cm^3

●作業者がそこで10分間作業した場合、作業者が受ける内部被爆線量は何μSvと見積もれるか。
ただし、成人の呼吸量を毎分20リットルとする。
飛散した18Fの化学形はフッ化水素とし、告示別表第2の第2欄に定められた吸入摂取した場合の実効線量係数は
5.4×10^-8mSv/Bqである。

内部被爆=実効線量係数[mSV/Bq]×摂取量[Bq]

ででるわけですが、問題は、この摂取量。

問題文だけみてもなにを代入すればいいかわかりません。

なので、単位をみます。

Bq・・・・・・

今わかっているのは、空気中の濃度0.20[Bq/cm^3]、呼吸量は毎分20[リットル]、作業時間は10分。

全部かけると、リットルとcm^3が残ってしまいます。

そこで、単位の変換。

1リットル=1000cm^3というのがあるそうです(^^;;

それさえ知っていれば、20[リットル]が20000[cm^3]になることがわかるので、これで計算ができそうです。

摂取量=0.2[Bq/cm^3]×20000[cm^3/分]×10[分]=4.0×10^4[Bq]

内部被爆=5.4×10^-8[mSv/Bq]×4.0×10^4[Bq]=21.6×10^-4[mSv]=2.2[μSv]


●10GBqの18Fを含む溶液0.1mlがバイアルに入っている場合に、0.5m離れた位置で10分作業すると、被爆線量は何mSvになるか。
ただし、18Fの実効線量率定数は0.140μSv・m2MBq-1・h-1とし、作業中の放射能の減衰は考慮しないこととする。

実効線量率=(実効線量率定数×放射能)/(距離)^2

の公式を使う。

実効線量率定数:μSv・m2・MBq-1・h-1
放射能:Bq
距離:m
実効線量率:μSv・h-1

実効線量率=(0.140[μSv・m2・MBq-1・hー1]×10×10^3[MBq])/(0.5[m])^2
       =5.6×10^3[μSv/h]=5.6[mSv/h]

放射能は、10GBq→10×10^3MBqに変えて計算する。

10分間作業しているが、単位が[h]なので、10/60[h]にして計算する。

5.6[mSv/h]×10/60[h]=0.93[mSv]

と出る。


●このバイアルを厚さ1.5cmの円筒状の鉛容器の中に入れて取扱えば、線源から0.5m離れた位置で10分間作業する際の被爆線量は何μSvか。

I=I0(1/2)^(x/x1/2) の公式を使う。

I=I0(1/2)^(1.5/0.5)=I0(1/2)^3=I0(1/8)

I0は、今回は、遮蔽体がないときのガンマ線の強度なので、先ほどだした実効線量率5.6[mSv/h]を入れると、

I=5.6×(1/8)=0.7[mSv/h]=700[μsV/h]

10分間作業しているので、700μSv/h×(10/60)h=120[μSv]

●線源を入れた鉛容器の外側を、更に厚さ5cmの円筒状の鉛遮蔽体で囲むようにすると、作業者の体幹部での
被爆は鉛容器のみの時に比べ更に何分の1に低減できるか。
ただし、消滅放射線に対する鉛の半価層は0.5cmとする。

1.5cmの鉛に更に0.5cmの鉛で遮蔽するので、

I1.5+I0.5=I1.5×(1/2)^5cm/0.5cm=I1.5×(1/2)^10=I1.5×(1/1025)

作業条件の違いは鉛遮蔽体の違いのみなので、線量は約1000分の1になる。



・人体の被爆は、外部被爆と内部被爆に分類されるが、原因となる放射線源によっては、外部被爆の可能性が低い場合も多い。例えば、3Hや14Cなどの低エネルギーのβ線源の場合には、体内摂取による内部被爆のみを考慮すれば良いと考えられる。
一方、高エネルギーβ線源、例えば32Pの場合には、最大エネルギーが約1.7MeVであるため、β線の影響の他に、透過性の高い2次X線による被爆の恐れも考慮する必要がある。

・X(γ)線の場合にも、そのエネルギーによって外部被爆の状況は異なる。
例えば、125Iの場合には、そのX線のエネルギーが30kev程度である。
簡単のために、その強度が半分になる深さを水の深さで推定すると、水の線減弱係数を0.375cm^-1、ln2=0.693として約1.9cmである。
一方、線源が60Coの場合は、そのエネルギーは1.2MeV程度であり、被爆は身体内の広い範囲で高くなる。

~計算問題の解説~

やり方が合ってるかどうかは知りませんが、これで出すことができます。

強度が半分となる深さをXとすると、

I=I0e^-μ・Xより
半分なので、
1/2I=I0e^-0.375・X
2^-1=e^-0.375・X
-ln2=-0.375・X
-0.693=-0.375・X
X=0.693/0.375=1.848≒1.9cm

・中性子線の場合は、外部被爆以外に、生体内の構成元素の放射化による内部被爆もある。
この放射化は、線量推定にも利用することができるが、その場合には利用する元素の体内における存在状態が線量推定を大きく左右する。
例えばNaは全身に分布するので全身被爆の場合には血液中の放射化したNaの測定で線量推定が可能であるが、部分被爆の場合には、体内循環による希釈が避けられない。

・被爆線量の推定における生体内指標としては、一般に染色体異常の検出が有力な手段となる。
染色体異常の測定には良いが、部分被爆の場合には誤差が見込まれる。
なお、染色体異常の検出は、比較的低い線量の場合に有効な手段である。
一方、被爆線量が高線量の場合には、部分被爆であっても被爆部位の反応で、しきい線量以上の被爆があったかどうかの判定は可能である。
例えば、皮膚は3Gyの被ばくで3週後に脱毛が起こるとされている。




徳川たかし

Author:徳川たかし
勉強できない筆者が資格試験に挑みます( ̄▽ ̄)ニパー






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